キリムの主要産地

西アジアから中央アジア一帯には、大昔から遊牧の先住部族が暮らしていました。キリムは、この広大な地域を移動しながら生活する人々の生活用具としての織物です。
そのため、キリムの産地は近代以降に人為的に引かれた国境よりも、地域や部族によって、その違いや特徴を見ることができます。配色・文様・織り方・構成は基本的にその部族の特徴が表れています。そのため、キリムはその流通段階では、織り手が所属する部族名を一般に呼称として用いられ、キリムの産地はあくまでもキリムの集散地を表現しています。

キリムの名称が、たとえばトルコにある地域や町の「マラティヤ」「コンヤ」と呼ばれたり、イランとアフガニスタンにわたって住む「トルクメン」「バルーチ」のように部族の名前で呼ばれているのは、キリムの起源と歴史を物語っているからです。大きくは、トルコ(アナトリア)、イラン(ペルシア)、コーカサス、アフガニスタン、中央アジア、北アフリカ(モロッコ)の6つの産地に大別できます。

イランではギリム、アフガニスタンではケリムと呼ばれます。トルコ産のキリムはいち早く欧米に紹介され、世界的評価も高まったため、キリムという名が広まりました。日本でも欧米と同様にキリムと呼んでいます。

キリム生産地

キリムラグ一覧
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